持続可能なリチウムイオン電池:投資家向けブリーフィング
本レポートは、リチウムイオン電池のバリューチェーンにおけるサステナビリティ上のリスクと機会について、ステークホルダーに包括的な分析を提供するものです。また、これらのリスクに対処し、長期的な株主価値の確保につなげるために、投資家をはじめとするステークホルダーが取り得る行動を示しています。
本レポートでは、主に以下の3点を取り上げています。
- リチウムイオン電池のバリューチェーンにおける技術、電池の化学組成、主要なステークホルダーについて概要を示します。
- 電池のバリューチェーンにおける環境・社会面の影響とリスクを明らかにします。
- 電池のバリューチェーンの持続可能な発展に、投資家がどのように貢献できるかについて指針を示します。
リチウムイオン電池は、電気自動車(EV)、エネルギー貯蔵、家電製品、医療機器など、幅広い分野で利用されています。また、風力や太陽光などの再生可能エネルギーによる発電量の変動を吸収し、電力系統への統合を可能にすることで、再生可能エネルギーへの移行において重要な役割を果たしています。EV販売の拡大やエネルギー貯蔵の普及に伴い、世界の電池需要は今後大幅に増加すると予想されています。
エネルギーシステムにおける電池の役割
一方、電池のサプライチェーンは、特に原材料となる鉱物の採掘、精製・加工、使用済み電池の管理といった段階において、重大な環境・社会リスクを抱えています。その主なリスクには、環境汚染、資源の枯渇、人権侵害などが含まれます。
本レポートでは、リチウム、ニッケル、コバルト、黒鉛などの主要鉱物の採掘から、精製・加工、セルおよびパックの製造、電池の設置、使用済み電池の再利用・リサイクル・処分に至るまで、バリューチェーン全体を分析しています。
電池バリューチェーンの各段階におけるサステナビリティリスクの概要
出所:IEA、Child Labour Platform, ILO、Harvard International Review、S&P Global Market Intelligence、Benchmark Minerals、Nature Reviews Earth & Environment、Reuters、USGS、Centre on Global Energy Policy、Global Battery Alliance、National Minerals Information Center、Global Witness、Financial Times、Bloomberg、Rainforest Rescue、RAID、Amnesty International、Faraday Institution、Geneva Center for Business and Human Rights、Human Rights Watch、WEF、IIEDなど、およびPwC Strategy&による分析